2021年4月入職の転職活動の環境が変化?効果的な転職活動を進めよう
保育業界はまだまだ売り手市場が続いている
2020年もまだまだ売り手市場が続いている保育業界。実際、求人倍率がどれだけ変化しているのか、見てみましょう。厚生労働省が発表しているデータを元に、各年のピーク時(1月頃)の有効求人倍率を調べてみました。やや変動はありますが、高い水準で推移しています。
【保育士の求人倍率】
平成27年1.93倍
平成28年2.34倍
平成29年3.40倍
平成30年3.64倍
令和元年3.86倍
令和2年7月現在の有効求人2.29倍となります。これがどれだけ高いのか全職種の平均求人倍率と比較してみました。調べてみると全職種の平均求人倍率が1.05倍となっているため、保育業界の倍率の高さが一目瞭然ですね。来年令和3年では、過去のデータから考えても大きく下がることはないだろうと予測できます。その背景として、現在でも解消されていない待機児童問題や働く世代の増加が理由として挙げられます。保育園に預けたいというニーズはまだまだ高く、より保育士が必要となってくるでしょう。特に都心ではそのニーズが現在でも高い傾向です。一番の売り手市場である東京都では、有効求人倍率はなんと4.80倍あります。令和2年7月の有効求人倍率と比べて約2倍ととても高い水準となっているため、保育士不足は深刻化しています。しかし、待機児童が増えている中で、保育園が閉鎖する事態が増えています。
求人はあるのに、その裏で保育園が閉鎖している。なぜ?
保育園の閉鎖と聞いてしまうと、保育士不足が原因なのかと感じてしまいますね。保育士が今もなお不足しているのは、厚生労働省の退職理由のアンケートからも分かるように、職場の人間関係や待遇の問題、仕事量の多さなどが上位を占めています。しかし、それ以外にも保育園が閉鎖する理由があります。意外かもしれませんが、子どもが集まらないからです。
朝日新聞のコラムに、保育所の急な閉園問題が取り上げられています。保育園として運営していくために必要な子どもの数が足りず、経営が厳しく閉鎖してしまう施設が増えているそうです。その原因が待機児童を減らすために次々と新しい施設ができたからです。それぞれの地域に住む子どもの数にはばらつきがあるのは当たり前なのですが、待機児童を解消するためにどんどんと新しい施設が開設され、いつの間にか施設の数が多くなり、子どもが集まらず経営難になり、閉鎖や譲渡をせざるを得ない状況になってしまったからです。最近新しくできたばかりだと感じる施設でさえも、実は経営が傾いていて苦しい状況が続いているということも考えられます。
その中で転職を考えた時に、運営の実態や内情など表から簡単に見える情報ではありません。園の見学や面接などで話を聞く中で、なかなか判断しづらいこともあるでしょう。そのため待遇が他の施設よりも良いと思い就職したとしても、経営難が続いており就職しても半年後に急に閉鎖する可能性も考えられます。転職を繰り返さないためにも、環境や待遇の改善だけでなく、今後のキャリアを踏まえて転職を考え、正しい情報を知る必要があります。
どんなことを大事に転職活動したらいいの?
環境や待遇面の改善をするため、転職することも確かにひとつですが、その前に5年後、10年後の自分自身のキャリアを考えて転職することが重要です。例えば、保育士として経験を積むことで将来的に園長や主任保育士、リーダーなど役職に就くことも可能です。リーダーとしてクラス全体をまとめることもできますし、指導者として後輩を育成しマネジメントすることもできます。また、園長になれば園全体のマネジメントにも関わることができます。他にも、保育現場で、この先もずっと子どもと関わり、スキルを磨きたいと思う人もいるかもしれませんね。今後、どのようなスキルを身に着け、どのような保育士になりたいのか考えることも大切です。これからのことを自身でも考えることができますが、どうしても悩む場合があると思います。そして朝日新聞のコラムでも取り上げられた子どもの偏りにより保育園の急な閉鎖問題もあり、より不安になるかもしれませんね。ある程度は自身で調べることも可能ですが、やはり限界があります。そのために活用するのが保育を専門で扱う転職エージェント(紹介会社)です。保育の業界や保育現場で実際に働いた経験のある方もいるため、辛さややりがいを十分に理解してくれています。また、今後のキャリア相談や、保育園の詳しい情報など日頃からエージェントと保育施設との繋がりがあるからこそ、手に入りづらい情報を知ることができるでしょう。それだけでなく転職する際につまずいてしまう履歴書・職務経歴書の書き方や面接の対策・練習など、重要なポイントを教えてもらえるため、スムーズに転職活動を進めることができます。無料でサービスを使えることも魅力ですね。一人では心細く感じてしまう転職活動を手厚くサポートしてくれる転職エージェントは本当におすすめです。
転職エージェントを選ぶポイントは?
実際に保育専門のエージェントを検索すると、多々サイトが見つかります。その中でどういったエージェントや相談を聞いてくれるキャリアアドバイザーを選ぶといいのかポイントを3つ紹介します。
・転職する地域の特色を把握しているか
転職する場所によって求人数や保育施設の数も異なります。そのためにはまず自身が転職するエリアに特化した転職エージェントであるかどうか確認しましょう。例えば東京都や神奈川県など都心での転職を希望する場合、都心に強い転職エージェントを選ぶことがおすすめです。なぜなら、求人数も多く、またそのエリアの保育園情報など詳しく知ることができるからです。
・今までのキャリアをヒアリングし、長期的なキャリアを築けるようにアドバイスしてくれるか
転職エージェントに登録すると、現在の悩みと解決したいこと、今後のキャリアについてキャリアアドバイザーがしっかりと相談にのってくれます。職場環境や待遇の改善など大事な要望ですが、自身が5年後、10年後どんな保育士になりたいのかキャリアを一緒に考えてくれるかどうかも大切です。
・自分の求める条件にあった求人を紹介してくれるか
転職エージェントはあなたの希望に添った求人や新たな視点で提案してもらえることが多いですが、中には希望に添わない求人を多々紹介するケースもあります。なるべく自身の要望にあった求人を、紹介してもらえるかどうかが大切なポイントです。さらに、保育園の閉園情報などを踏まえて、求人を紹介してくれるキャリアアドバイザーであれば、より安心して転職活動を進めることができます。
まとめ
保育業界はまだまだ売り手市場が続いています。保育士不足だけでなく、子どもの数が地域によって偏っているため預け先が多くなり、子どもが集まらず閉園してしまう園も問題となっています。待遇や職場環境の改善を求めて転職したいと思ったとき、情報をしっかり集め、今後のキャリアをよく考えることが大切です。そのためにも、保育専門の転職エージェントを活用することで、効率的に転職活動をすることができると思います。自分に適した職場で、長期的なキャリアを築いていきましょう。